特定技能・技能実習の受け入れ停止にどう備えますか?
一般社団法人 外国人雇用支援機構(FESO)/ 最終更新 2026-08-21
答え
受け入れ停止には2つの経路があります。分野ごとの受け入れ見込数の上限に達したことによる停止と、不適切な運用に対する行政処分としての停止です。後者は5年間にわたり新たな受け入れができなくなるため、賃金・労働時間・居住環境の再点検が欠かせません。
どのようなご相談ですか?
技能実習・特定技能で外国人を受け入れている、または受け入れを予定している企業のご担当者様向けのガイドです。
- 相談種別:特定技能・技能実習の受け入れ停止と行政処分
- 状況:外食業分野で特定技能1号の新規受け入れが停止されるなど、制度を取り巻く環境が大きく動いています。技能実習制度から育成就労制度への移行期にあたり、不適切な運用に対する監視も厳しくなっています。
- 知りたいこと:どのような場合に受け入れが止まるのか。止まらないために企業は何をすればよいか。
なぜ外食業で新規受け入れが止まったのですか?
受入れ見込数5万人の上限に達する見込みとなり、令和8年4月13日から在留資格認定証明書の交付が停止されたためです。
外食業分野では、特定技能1号の在留人数が受入れ見込数5万人の上限に達する見込みとなりました。これを受けて、令和8年(2026年)4月13日から、在留資格認定証明書の交付が停止されています。上限到達による交付停止は、特定技能の制度創設後初めてのことです。
- 止まったもの 在留資格認定証明書の交付です。海外から新たに呼び寄せる採用は事実上できません
- 止まっていないもの すでに外食業で働いている方の在留期間更新は、通常どおり許可されています。今いる方の雇用を続けることに支障はありません
- 再開の見通し 再開時期は「未定」と公表されており、2026年8月現在も停止が続いています
「人手不足解消」を掲げる特定技能制度において、極めて異例の事態です。分野ごとの現在の受け入れ可否は、出入国在留管理庁の最新の公表内容をご確認ください。
行政処分による受け入れ停止はどんなときに起きますか?
賃金の未払い、保証金の徴収、帳簿の虚偽記載など、不適切な運用が発覚したときです。
外国人技能実習機構および厚生労働省は、新制度へのスムーズな移行を担保するため、不適切な運用を行う企業に対して「受け入れ停止処分(認定取消)」を行っています。公表された行政処分では、次の理由が目立ちます。
- 賃金の不当な中抜き・未払い 最低賃金の引き上げに対応せず、実習生に旧基準の賃金しか支払っていないケース
- 保証金の徴収 送り出し機関と結託し、実習生から「逃亡防止」名目で保証金を徴収していたケース
- 帳簿の虚偽記載 監査を逃れるために実習日誌や賃金台帳を偽造していたケース
これらの処分を受けた企業は、今後5年間にわたり技能実習生および新制度での受け入れが完全に禁止されます。
送り出し機関が原因で止まることはありますか?
あります。提携先の送り出し機関が認定を取り消されると、準備中の実習生の入国が止まります。
受け入れ停止のリスクは日本国内だけではありません。ベトナムやミャンマーなど主要な送り出し国において、「送り出し機関」の認定取消が相次いでいます。日本の当局も、不当な手数料を徴収している送り出し機関をブラックリスト化し、そこからの新規受け入れを停止する措置を強化しています。
企業がどれだけ優良であっても、提携している現地の送り出し機関が停止処分を受ければ、準備中だった実習生の入国はストップします。現地の機関が適正な運営をしているか、これまで以上に厳しい確認が求められます。
特定在留カードの導入で何が変わりますか?
不正がデータ上で即座に判明するため、停止措置の判断が早まります。
在留カードとマイナンバーカードを一体化した「特定在留カード」が導入されると、これまで年1回の監査などで発覚していた不正が、デジタル連携によってリアルタイムで露呈するようになります。
- 社会保険の未加入 加入漏れがデータ上で即座に判明し、改善勧告に従わない場合は即座に受け入れ停止措置が検討されます
- 住所不明者の放置 実習生が失踪し、届出を怠っている場合、データの不整合から即座に発覚します
企業は今から何をすればよいですか?
上限数の注視、コンプライアンスの再徹底、育成就労制度への先行対応の3つです。
- 外食業以外の分野でも「上限数」を注視する
外食業の停止は、飲食料品製造、農業など他分野への波及を示唆しています。採用計画は余裕を持って進める必要があります。
- コンプライアンスを再徹底する
「今までこれで大丈夫だったから」は通用しません。賃金、労働時間、居住環境のすべてを最新の基準で再点検してください。
- 育成就労制度へ先行対応する
2027年の施行を待たず、今から「転籍(転職)」が認められる新制度基準に合わせた職場づくりを始めることが、結果として行政処分を防ぐ最大の防御となります。
突然の受け入れ停止という事態を避けるためには、正確な情報収集と法務管理が欠かせません。停止リスクにご不安のあるご担当者様は、お早めに専門家へご相談ください。
よくあるご質問
外食業で特定技能1号の新規受け入れが止まったのはなぜですか。
受入れ見込数5万人の上限に達する見込みとなったためです。令和8年4月13日から在留資格認定証明書の交付が停止されており、制度創設後初めてのことです。再開時期は未定と公表され、2026年8月現在も停止が続いています。なお停止されているのは在留資格認定証明書の交付で、すでに働いている方の在留期間更新は通常どおり許可されています。
行政処分を受けると何年間受け入れができなくなりますか。
5年間です。技能実習生の受け入れも、新制度での受け入れも完全に禁止されます。
提携先の送り出し機関が処分を受けたらどうなりますか。
自社が優良な企業であっても、準備中だった実習生の入国はストップします。現地の機関が適正に運営されているかの確認が必要です。
企業は今から何を準備すればよいですか。
分野ごとの上限数の注視、賃金・労働時間・居住環境の再点検、そして転籍が認められる新制度基準に合わせた職場づくりです。
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※この記事は一般的なご説明です。制度は変わることがあり、実際の可否は個々の事情によって異なります。最新の情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認いただくか、当サイトの行政書士にご相談ください。