就労ビザの新規申請で企業が備えることは何ですか?
一般社団法人 外国人雇用支援機構(FESO)/ 最終更新 2026-08-21
答え
就労ビザの新規申請では、外国人ご本人の能力だけでなく受け入れる企業側の体制と安定性が厳しく審査されます。企業側が押さえるべきは会社の安定性・継続性、業務内容の妥当性、報酬の適正性、届出義務の履行と管理体制です。
どのようなご相談ですか?
初めて外国人社員を受け入れる企業や設立間もない企業が、就労ビザの新規申請で不許可を避けるための案内です。
- 相談種別:外国人材の採用(在留資格「技術・人文知識・国際業務」など)
- 申請種別:就労ビザの新規申請
- 背景:初めて外国人社員を受け入れる企業や、設立間もない企業の場合、就労ビザの新規申請手続きで不許可となるケースが少なくありません。
- 審査の視点:外国人個人の能力だけでなく、外国人を受け入れる企業側の体制と安定性が厳しく審査されます。
- 取り上げる内容:会社の安定性と継続性の証明、職務の妥当性の証明、報酬の適正性、管理体制と届出義務の遵守。
会社の安定性はどう証明しますか?
決算書などの財務資料と、事業専用の事務所が確保されていることの2点で示します。
出入国在留管理庁は、外国人が日本で長期的に安定して働くことができるかを確認するため、企業の事業の安定性・継続性を厳しくチェックします。
財務状況の健全性
特に設立から間もない企業(設立後3年未満)や、赤字が続いている企業は注意が必要です。
- 提出書類 直近の決算書(損益計算書、貸借対照表)を提出します。設立直後で決算がない場合は、事業計画書や会社案内を提出し、事業が今後安定的に継続していく見込みを具体的に示さなければなりません。
- 赤字の場合の対応 赤字であっても、それを補うだけの預貯金残高があること、または明確な事業再建計画があることを、理由書で説得力をもって説明する必要があります。
事務所の確保と事業実態
- 事務所の確保 従業員が常時勤務できる、事業専用の事務所が確保されている必要があります。自宅兼事務所の場合、事業専用のスペースが明確に分かれていることが求められます。
- 賃貸契約 事務所の賃貸契約書で、「事業用」または「居住用兼事業用」として契約されていることを確認してください。「居住用」のみでの契約は、事業実態がないと判断される可能性があります。
業務内容の妥当性はどう示しますか?
採用する方の学歴(専攻分野)や職務経験と、日本で行う業務内容の関連性を論理的に説明します。
採用する外国人の学歴(専攻分野)や職務経験が、日本で行う業務内容と専門的・技術的に関連していることが必須です。
- 例 経済学を専攻した方を、単なる製造ラインの作業員として採用することはできません。経理や企画、翻訳などの専門業務に従事させる必要があります。
- チェックリスト 業務内容を具体的に記載した採用理由書を作成し、出入国在留管理庁が納得できる形で関連性を論理的に説明することが重要です。
報酬はどの水準にすればよいですか?
日本人が同じ業務を行う場合に支払う報酬額と同等以上であることが必要です。
- 不許可リスク 日本人社員よりも低い賃金を設定した場合、「不当な労働条件で外国人材を採用している」と見なされ、不許可となります。
- 証明 雇用契約書に記載された報酬額が、企業の他の日本人社員の給与水準と比較して適正であることを証明しなければなりません。
届出義務と管理体制はどうすればよいですか?
過去の届出を14日以内に行っているかを確認され、在留資格管理の担当を明確にしておく必要があります。
外国人を雇用する企業は、入管法上の各種届出義務を負います。これらの義務を履行しない企業は、不適切な受け入れ先と見なされます。
- 過去の届出義務の履行 過去に外国人社員を雇用した経験がある企業は、その社員の退職時や異動時の届出(中長期在留者の受入れに関する届出)を14日以内に行っているかを確認されます。届出を怠っていると、企業のコンプライアンス意識が低いと判断され、新規申請が不利になる可能性があります。
- 担当者の明確化 申請手続きや入社後の管理を担当する部署や担当者を明確にし、責任をもって外国人社員の在留資格管理を行う体制が整っていることを示す必要があります。
就労ビザの新規申請は、企業の安定性、業務の妥当性、報酬の適正性という観点から多角的に審査されます。特に初めての申請や設立間もない企業にとっては、これらの基準を自力でクリアするのは容易ではありません。財務状況や採用計画をあらかじめ点検し、不許可リスクを事前に特定しておくことが成功の鍵です。
よくあるご質問
設立間もない会社でも就労ビザの新規申請はできますか。
できますが、注意が必要です。設立直後で決算がない場合は、事業計画書や会社案内を提出し、事業が今後安定的に継続していく見込みを具体的に示さなければなりません。
自宅を事務所にしていても大丈夫ですか。
事業専用のスペースが明確に分かれていることが求められます。賃貸契約が「居住用」のみの場合は、事業実態がないと判断される可能性があります。
外国人社員の給与はどのように決めればよいですか。
日本人が同じ業務を行う場合に支払う報酬額と同等以上である必要があります。日本人社員より低い賃金を設定すると不許可となります。
過去の届出を怠っていると新規申請に影響しますか。
影響する可能性があります。退職時や異動時の届出を14日以内に行っていないと、企業のコンプライアンス意識が低いと判断され、新規申請が不利になることがあります。
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※この記事は一般的なご説明です。制度は変わることがあり、実際の可否は個々の事情によって異なります。最新の情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認いただくか、当サイトの行政書士にご相談ください。