出国準備期間中に在留資格の変更申請はできますか?
一般社団法人 外国人雇用支援機構(FESO)/ 最終更新 2026-08-21
答え
出国準備期間(特定活動・30日)であっても、他の在留資格への変更申請を行うこと自体は法的に可能です。ただし実務上のハードルは非常に高く、慎重かつ迅速な対応が求められます。「日本に留まる強い合理性」を書類で説明できるかどうかが分かれ目になります。
どのようなご相談ですか?
出国準備期間の30日を付与された方から、日本に残る道はないかというご相談です。
- 相談種別:就労の在留資格(興行から他資格へ)
- 申請種別:在留資格変更許可申請
- 状況:モンゴル国籍のご相談者様。日本で大相撲の力士として活動し、このたび引退。すでに相撲協会を通じて在留カードを返却し、現在はパスポートに「特定活動(出国準備期間・30日)」のシールが貼られている状態。
- ご質問:30日間の出国準備期間の間は、もう他の在留資格への変更申請はできないと考えるべきでしょうか。それとも、この期間内であれば日本に留まるための新しい申請をしてもよいのでしょうか。
出国準備期間とはどのような状態ですか?
日本を離れるための準備として与えられる、30日間の猶予です。
力士の方が引退されると、所属していた相撲協会が「興行」の活動終了を報告し、日本を離れるための準備期間として30日間の猶予が与えられます。これが「特定活動(出国準備期間)」です。
この期間は「出国すること」を前提とした期間ですが、入管法上、他の在留資格への変更申請を禁止する規定はありません。申請行為そのものは可能です。
30日以内に審査は間に合いますか?
特例期間が使えないため、30日の期限までに結果が出るか、いったん出国する必要があります。
ここが最も重要な注意点です。通常の就労の在留資格などの更新・変更申請では、期限までに申請すれば結果が出るまで最大2か月間滞在できる「特例期間」が適用されます。
しかし、この特例期間を定めた入管法第20条第6項には、「三十日以下の在留期間を決定されている者から申請があつた場合を除く」と明記されています。出国準備のための「特定活動」は在留期間が30日または31日で指定されますので、30日を指定されている場合には、この特例期間が適用されません。つまり、30日の期限が来る前に審査結果が出るか、あるいは期限が来る前に一度出国しなければならないという、極めてタイトなスケジュールになります。
「30日」という時計は、一度も止まることなく進んでいきます。動くのであれば、今日・明日のうちに方針を決める必要があります。
どのような場合に変更が認められますか?
日本に留まる強い合理性を、書類で疎明できる場合です。
出国準備期間からの変更申請は、「一度帰国すると決まったはずなのに、なぜ今になって心変わりしたのか」という厳しい目で見られます。書類を出すだけでなく、やむを得ない事情や日本に留まる強い合理性を疎明(説明)しなければなりません。
- 就職先が決まっている場合 引退後、日本国内の企業から内定を得ているケースです。ただし30日以内に、会社側の決算書類や雇用契約書、ご本人の学歴・職歴証明書をすべて揃え、かつ審査を終えるのは物理的に困難な場合が多くなります。
- 日本人と結婚する場合 すでに日本人の婚約者がおり、このタイミングで入籍・同居を始めるケースです。婚姻の実体があることを立証する資料を、短期間で作成する必要があります。
- 告示に基づく特定活動へ変更する場合 日本での就職活動を継続するための在留資格など、特定のカテゴリーへ移行するケースです。
一度帰国したほうがよいのですか?
実務上は、いったん帰国して在留資格認定証明書を申請するほうが確実です。
日本に居続けたいと願う場合でも、無理に30日以内の変更を狙うより、次の流れが最も確実で、後の審査に悪影響を与えない方法となることが多くあります。
- 30日以内に一度帰国する まずは出国準備期間の約束を守り、クリーンな状態で出国します。これにより「法を守る人だ」という信頼が得られます。
- 日本側で在留資格認定証明書の交付申請を行う 日本にいる協力者(就職先の会社や行政書士など)を通じて、日本に呼んでもらうための申請を行います。
- 現地で査証申請をして再入国する 交付を受けたら、現地の日本国大使館・領事館で査証を申請し、堂々と再入国します。
申請する前に何を確認すべきですか?
受入先の準備、事前相談、パスポートの残り期限の3点です。
- 受入先の準備が完璧か 申請した瞬間に追加資料を求められることなく、一発で許可が狙えるレベルの書類が必要です
- 事前相談をしたか 提出前に、管轄の地方出入国在留管理局の相談窓口で現在の状況を話し、受理してもらえる見込みがあるかを確認すべきです
- パスポートの残り期限 パスポート自体の有効期限も十分である必要があります
具体的な就職先や結婚の予定がない状態で「ただ日本にいたいから」と申請を出すのは、不法残留(オーバーステイ)のリスクを高めるだけであり、おすすめできません。まず「次に何の在留資格を取りたいのか」を明確にし、そのための書類が今すぐ手元に揃うのかを確認してください。
本記事は2026年4月時点の情報に基づいています。最新の運用は出入国在留管理庁の告示または専門家にご確認ください。
よくあるご質問
出国準備期間中でも在留資格の変更申請はできますか。
申請すること自体は法的に可能です。入管法上、出国準備期間中の変更申請を禁止する規定はありません。ただし実務上のハードルは非常に高くなります。
申請すれば結果が出るまで日本にいられますか。
いられません。特例期間を定めた入管法第20条第6項は「三十日以下の在留期間を決定されている者から申請があつた場合を除く」と明記しています。出国準備のための「特定活動」は在留期間が30日または31日で指定されるため、30日を指定されている場合は特例期間が適用されず、30日の期限までに結果が出るか、期限前に出国する必要があります。
どのような場合なら変更が認められますか。
日本国内の企業から内定を得ている場合、日本人と結婚する場合、告示に基づく特定活動へ移行する場合などです。いずれも日本に留まる強い合理性を書類で疎明する必要があります。
いったん帰国してから戻る方法はありますか。
あります。30日以内に一度帰国し、日本側で在留資格認定証明書の交付申請を行い、交付後に現地の日本国大使館・領事館で査証を申請して再入国する流れです。
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※この記事は一般的なご説明です。制度は変わることがあり、実際の可否は個々の事情によって異なります。最新の情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認いただくか、当サイトの行政書士にご相談ください。