内定者を短期滞在ビザでインターンに招けますか?
一般社団法人 外国人雇用支援機構(FESO)/ 最終更新 2026-08-21
答え
ご記載の内容では、短期滞在ビザでの入国は難しい可能性が高いです。短期滞在は報酬を伴わない短期間の活動が対象で、食事代の支給や渡航費の会社負担は「対価」と解釈され得るためです。実質的な就労と判断されると、翌年の「技術・人文知識・国際業務」の在留資格認定証明書交付申請にも悪影響が及ぶおそれがあります。
どのようなご相談ですか?
内定者を入社前に日本へ招いてインターンシップを行いたい企業が、短期滞在ビザで可能かと、翌年のCOE申請への影響を尋ねています。
- 相談種別:ビザ
- 申請種別:短期滞在
- 状況:日系企業の人事ご担当者様からのご相談。2026年4月入社が内定しているベトナム国籍の候補者(24歳)について、本年12月から1月頃に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格認定証明書(COE)の交付申請を予定している。
- 計画:本年10月に候補者を日本へ招き、2週間程度のインターンシップを実施したい。航空券と滞在ホテルの費用は会社が負担。対価は無給だが、食事代として1日3,000円を支給する予定。
- 質問:この内容で短期滞在ビザに該当するか。翌年の「技人国」の認定申請に悪影響があるなら、インターンシップ自体を取りやめることも考えている。
この内容で短期滞在ビザは取れますか?
ご記載のインターンシップの内容では、短期滞在ビザでの入国は難しい可能性が高いです。
短期滞在ビザは、観光、商用、親族訪問、短期的な研修など、報酬を伴わない短期間の活動を目的とする場合に許可されるものです。「報酬を伴う活動」や「将来の就労を見据えた実質的な労働」と見なされる場合は、短期滞在ビザの対象外となります。
今回のご計画には、次の点が懸念されます。
- 「無給」と「食事代支給」の解釈が分かれる点
- すでに内定が出ている「内定者」であるという点
- インターンシップの内容が実質的な労働に及ぶ可能性がある点
2週間という期間も、その内容によっては「研修」に該当する可能性があり、その場合は在留資格「研修」の要件を満たす必要があります。
「無給」でも報酬とみなされることがありますか?
食事代の支給や渡航費の会社負担は、実費弁償の範囲を超えると「対価」と解釈される可能性があります。
「無給」であること自体は短期滞在ビザの条件に合致します。しかし、食事代として1日3,000円を支給するという点が、地方出入国在留管理局にどう判断されるかが重要になります。これが単なる実費弁償(交通費や宿泊費の実費精算など)の範囲を超え、実質的な「対価」や「報酬」と見なされる可能性があります。
あわせて、航空券やホテル代を会社が負担する点も、「雇用関係に基づく利益供与」と解釈される一因となり得ます。
「内定者」であること自体も見られます
すでに内定が出ている方を招くインターンシップは、「来たるべき就労のための準備活動」、つまり将来の雇用関係が前提となった実質的な就労と見なされやすい性質があります。翌年に「技人国」の申請を行うことが確定しているため、短期滞在の目的が曖昧だと判断されるリスクがあります。
インターンシップの内容も問われます
内容が単なる企業見学や簡単な説明に留まる場合は問題ありませんが、具体的な業務への従事、指導的立場の者からの指示による作業、成果物の発生など、実質的な労働を伴う場合は、短期滞在の範囲を超えると判断されます。
翌年の「技人国」の申請に悪影響はありますか?
受け入れ方が適切でないと判断された場合、翌年の認定申請に悪影響が出る可能性は十分にあります。
ご心配のとおりです。次の2つのリスクがあります。
- 虚偽申請と判断されるリスク:インターンシップが実質的な就労と判断された場合、短期滞在ビザの目的を偽って申請したと見なされるおそれがあります。虚偽申請は、今後のすべての在留資格申請において、申請者の信頼性を著しく損なう行為となります。
- 企業の信頼性の低下:虚偽申請に関与した企業として信頼性が低下し、今後の外国人雇用に支障をきたす可能性も否定できません。
過去に、短期滞在ビザで入国した外国人の方が実質的な就労を行ったとして退去強制の対象となったり、その後の在留資格申請が不許可になったりする事例は少なくありません。すでに内定が出ており、将来的に長期滞在を予定している方の場合、審査はより慎重に行われる傾向にあります。
どうしても実施したい場合、何に注意すればよいですか?
対価性と業務性を完全に排除し、企業見学や交流活動に限定する必要があります。
原則として、内定者に対する「実質的な労働を伴うインターンシップ」は短期滞在ビザでは困難です。それでも実施したい場合は、次の点を厳格に守り、リスクを最小限に抑える必要があります。
対価性の排除
- 完全に無給とすること。
- 航空券や宿泊費について、会社が「費用負担の義務がある」と見なされないよう、内定者ご本人の自己負担とするか、実費精算であることを明確にすること。
- または、会社からの援助ではなく、日本滞在中の個人的な生活費をご本人が用意できることを証明すること(例:預貯金残高証明書)。
業務性の排除
- 内容を「企業見学」「会社概要・事業説明」「業界の基礎知識に関する座学」「日本人社員との交流(無報酬の範囲で)」に限定すること。
- 指示系統は「業務命令」ではなく「学習支援」の形とし、成果物やレポートの提出を義務付けないこと。
「研修」としての検討
本格的な研修を行いたいのであれば、在留資格「研修」を検討する必要があります。ただし「研修」は、その目的、期間、対価、受入れ機関の体制など独自の厳しい要件があり、簡単に取得できるものではありません。
理由書での説明
短期滞在ビザの申請時に、インターンシップの具体的な内容、期間、無給であること、将来のCOE申請とは目的が異なること(例:入社前の日本文化への適応促進、社内交流を目的とするなど)を詳細に記載した理由書を提出します。
短期滞在で認められた事例にはどのようなものがありますか?
報酬性と業務性が極めて低いか皆無である、学術・国際交流・見学目的のものに限られます。
- 学術的・研究目的:大学間の交換留学プログラムの一環で、研究室での短期間の観察・学習を行う場合(無給が前提)。
- 国際交流目的:NPO法人などが主催する、無報酬の国際交流プログラムやボランティア活動の一環として、短期間の交流活動を行う場合。
- 非常に限定的な企業見学・業界視察:報酬が発生せず、具体的な業務への従事が一切なく、純粋な情報収集や見学に徹する目的の場合。
いずれも「報酬性」と「業務性」が極めて低いか皆無であることが前提です。内定が出ている「将来の従業員」に対して行われるインターンシップはこれらとは性質が異なるため、より慎重な判断が求められます。
今回のご計画は、翌年の「技人国」認定申請への悪影響を避けるためにも、実行しない、または内容を大幅に見直すことをお勧めします。最も安全なのは、インターンシップ自体を取りやめ、COE申請に注力することです。
よくあるご質問
食事代を1日3,000円支給すると短期滞在ビザに影響しますか?
実費弁償の範囲を超え、実質的な「対価」や「報酬」と見なされる可能性があり、報酬を伴わない活動を前提とする短期滞在ビザの条件から外れるおそれがあります。
インターンシップが実質的な就労と判断されるとどうなりますか?
短期滞在ビザの目的を偽って申請した(虚偽申請)と見なされるおそれがあり、その後の在留資格申請における申請者の信頼性を著しく損ないます。受け入れた企業の信頼性が低下する可能性もあります。
短期滞在ビザでインターンシップが認められるのはどのような場合ですか?
大学間の交換留学プログラムでの無給の観察・学習、NPO法人などが主催する無報酬の国際交流プログラム、報酬も業務従事も一切ない純粋な企業見学・業界視察など、報酬性と業務性が極めて低いか皆無の場合に限られます。
2週間のインターンシップなら在留資格「研修」を使えますか?
本格的な研修を行う場合は在留資格「研修」を検討する必要がありますが、目的、期間、対価、受入れ機関の体制などに独自の厳しい要件があり、簡単に取得できるものではありません。
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※この記事は一般的なご説明です。制度は変わることがあり、実際の可否は個々の事情によって異なります。最新の情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認いただくか、当サイトの行政書士にご相談ください。