更新申請中に社員が退職・帰国。会社は何をすべき?
一般社団法人 外国人雇用支援機構(FESO)/ 最終更新 2026-08-21
答え
本人が在留資格を放棄して出国すること自体は空港でできます。ただし会社が申請を放置するのは危険です。地方出入国在留管理局へ「申請取下書」を提出し、退職から14日以内に所属機関に関する届出を行ってください。放置すると、今後御社が別の外国人を採用する際の審査に影響するおそれがあります。
どのようなご相談ですか?
更新申請の審査中に、社員の退職と帰国が決まった人事担当者様からのご相談です。
- 相談種別:就労ビザ(退職・帰国に伴うコンプライアンス)
- 申請種別:在留資格変更・期間更新の「申請取り下げ」および帰国手続き
- 状況:IT企業の人事担当者様。「技術・人文知識・国際業務」で就労中のオーストラリア国籍の社員について。元の在留期限は5月12日。4月28日に更新申請を提出したため、現在は特例期間中(最大7月12日まで)。連休明けに本人から「家庭の事情により6月8日付で退職し、その1週間後にオーストラリアへ帰国したい」との申し出があり、会社として了承した。
- ご質問:特例期間内なら、審査結果を待たずに在留カードを返納して出国してよいか。空港で必要な手続きはあるか。出国までに更新許可が出た場合、新しい在留カードを受け取らないことについて届出は必要か。
特例期間中に出国できますか?
できます。空港で在留カードを返納すれば手続きは完了します。
特例期間内であれば、更新申請の結果を待たずに日本を出国することは法的に可能です。
- 空港での手続き 出国時に審査官へ「今回は再入国する予定はなく、完全に本国へ帰国します」と伝えます。出国時に記入する再入国出国記録(EDカード)の「みなし再入国許可による出国」の欄にチェックを入れないよう、本人にご指示ください
- 在留カードの返納 審査官がその場で在留カードに穴を開けて無効化し、本人に返却します。これで在留資格は正式に消滅します
許可が出ていたら放置してよいですか?
絶対に放置しないでください。会社側にリスクが残ります。
「本人が出国して在留資格が消滅したのだから、地方出入国在留管理局も分かるだろう」と思いがちですが、審査部門と空港の出入国管理部門のデータ連携にはタイムラグがあります。
会社側が被るリスク
地方出入国在留管理局から「更新許可が出たので、新しいカードを取りに来てください」という通知が届きます。これを無視して放置すると、「許可を出したのに引き取りに来ない」「受入企業としての外国人管理体制に問題があるのではないか」とみなされます。今後、御社が別の外国人を採用して申請する際に、審査が厳しくなったり、結果が出るのが遅くなったりするおそれがあります。
本人側が被るリスク
将来、再び日本で働きたいとなったとき、過去の申請が放置されたままだと、在留態度が不誠実だったとみなされ、不許可の要因になり得ます。
会社は何をすればよいですか?
申請取下書の提出と、退職から14日以内の届出の2つです。
- 申請取下書を提出する
退職・帰国が確定した段階、または出国の直前に、申請先の地方出入国在留管理局へ「在留資格変更・期間更新許可申請取下書」を提出します。窓口のほか郵送でも受け付けられます。文面には「家庭の事情により○月○日付けで退職し帰国することとなったため、本申請を取り下げます」と記載します。これにより審査が正式に止まります。
- 所属機関に関する届出(契約終了)を提出する
雇用契約が終了したため、会社側から「中長期在留者の受入れに関する届出(契約終了)」をインターネットまたは郵送で提出します。これは入管法上の法定義務です。退職日から14日以内に必ず完了させてください。本人にも、個人側の届出を行うようお伝えください。
出国できるかどうかだけで言えば、空港での在留カード返納で足ります。ただし会社の今後の申請を守るという観点では、事後処理の手間を惜しまないことをおすすめします。この記事は2026年5月時点の情報にもとづいています。更新申請中の出国および取り下げの実務は、管轄の出入国在留管理局によって運用が細かく異なる場合があります。
よくあるご質問
特例期間とはどのくらいですか。
在留期間の満了日から最大2か月です。ご相談の事例では、5月12日満了に対して7月12日までとなっています。
空港で本人がすることは何ですか。
再入国の予定がないことを審査官に伝え、EDカードの「みなし再入国許可による出国」の欄にチェックを入れないことです。在留カードはその場で無効化されて返却されます。
申請取下書は郵送でも出せますか。
出せます。窓口のほか郵送でも受け付けられます。
届出をしないとどうなりますか。
入管法上の法定義務ですので、必ず退職日から14日以内に行ってください。放置は今後の申請に影響します。
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※この記事は一般的なご説明です。制度は変わることがあり、実際の可否は個々の事情によって異なります。最新の情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認いただくか、当サイトの行政書士にご相談ください。