売上ゼロで母国から送金。経営管理ビザは更新できますか?
一般社団法人 外国人雇用支援機構(FESO)/ 最終更新 2026-08-21
答え
「売上ゼロ」や「社会保険料の低さ」そのものよりも、それを補っている資金の性格と、税務上の整合性を説明できるかどうかが重要です。送金が役員報酬なのか貸付金なのかを明確にし、必要な確定申告を済ませてから更新申請に臨んでください。未申告のままの申請は、公的義務の不履行と見なされるおそれがあります。
どのようなご相談ですか?
設立1年目の売上ゼロ、母国からの高額送金、最低額の社会保険料が更新に響かないかというご相談です。
- 相談種別:経営・管理ビザの更新
- 申請種別:在留期間更新許可申請
- 状況:ご相談者様は2024年にスタートアップビザで来日し、2025年5月に「経営・管理」(1年)を取得。母国でも会社を経営しているが、日本法人は立ち上げ手続きが長引き、2025年度の売上はすべて母国側に計上され、日本側はゼロだった。不足分は母国法人から400万円を送金して補っている。
- ご不安な点1:400万円という高額送金の受取りについて、税務申告が未完了であること。
- ご不安な点2:日本での所得が低く、社会保険料が最低額であること。
- ご質問:これらが次回の更新に悪影響を及ぼさないか。
母国からの400万円の送金は問題になりますか?
送金そのものより、「そのお金が何として入ってきたか」と税務申告の整合性が問われます。
- 資金の性格を明確にする 母国法人からの「役員報酬」なのか、日本法人への「貸付金(または投資)」なのかを、はっきりさせる必要があります
- 税務申告を済ませる これが「役員報酬(所得)」であれば、日本の居住者として所得税の確定申告(または年末調整)が必要です。税務申告が完了していない状態での更新申請は、「公的義務の不履行」とみなされるリスクがあります。確定申告の時期に合わせて、適切に申告を済ませておきましょう
- 資金の出所を示せるようにする 資金の出所については厳しい審査の目が向けられます。母国法人の決算内容や預貯金の移動履歴を示す必要があると判断され、提出を求められることもあります
社会保険料が最低額でも更新できますか?
加入していること自体は更新でプラスに評価され、生計維持能力を別途示せれば直ちに不許可にはなりません。
社会保険(健康保険・厚生年金)に加入していること自体は、更新においてプラスの評価です。ただし保険料が最低額であることは、現在の「役員報酬」が低く設定されていることを意味します。その報酬額で日本で安定して暮らしていけるか(生計維持能力)が確認されます。また、申告されていない所得の有無についても疑念を持たれることになります。
ほかに母国からの仕送りや十分な預貯金があることを通帳のコピーなどで証明できれば、保険料が最低額であっても直ちに不許可になることはありません。ただし、「今後の事業計画」において報酬額を上げていく見通しを示すことが重要です。
売上ゼロはどう説明すればよいですか?
設立1年目の売上ゼロは、合理的な理由があれば許容される範囲内です。
- 理由書での立証 「準備行為(許認可、販路開拓など)に時間を要した」という具体的な経緯を記載した理由書を提出してください
- 母国法人の実績の活用 母国で既に経営実績がある点は強力な材料です。「母国ではこれだけ実績があり、日本でもそのノウハウを移転中である」と説明することで、事業の継続性を示せます
- 直近の申請内容との照合 直近の申請で説明した内容と、現状および事業計画との乖離を改めて検証し、理由書のなかで補足説明を準備しておく方がよいでしょう
まずは「400万円の送金に関連する税務申告」を最優先で整理しましょう。未申告のまま申請すると、不透明な資金ではないかと疑われるおそれがあります。足元の納税・申告を整えてから更新に臨んでください。
改正後の要件はいつから適用されますか?
すでに「経営・管理」で在留中の方には、施行日から3年間の経過措置が設けられています。
在留資格「経営・管理」の上陸許可基準省令が改正され、令和7年10月16日に施行されました。すでに「経営・管理」で在留されている方については、次のとおり取り扱われます。
- 施行日から3年を経過する日(令和10年10月16日)までの間に在留期間更新許可申請を行う場合 改正後の許可基準に適合しない場合であっても、経営状況や改正後の許可基準に適合する見込み等を踏まえ、許否判断が行われます。なお、審査においては、経営に関する専門家の評価を受けた文書の提出を求められることがあります
- 施行日から3年を経過した後になされた在留期間更新許可申請 改正後の許可基準に適合する必要があります
スタートアップから移行された方も、これまでの活動実態を丁寧に説明すれば道は開けます。焦らず、まずは納税・申告を整えてから更新に臨みましょう。
よくあるご質問
設立1年目で売上がゼロでも更新できますか。
合理的な理由があれば許容される範囲内です。準備に時間を要した経緯を、理由書で具体的に説明してください。
母国からの送金は更新に不利になりますか。
送金そのものより、役員報酬か貸付金かという性格と、税務申告との整合性を説明できるかが重要です。
社会保険料が最低額だと不許可になりますか。
なりません。仕送りや預貯金で生計維持能力を示し、報酬額を上げる見通しを事業計画で示してください。
改正後の要件は、いま在留中の人にいつから適用されますか。
令和10年10月16日までの更新申請は経過措置の対象です。それ以降の申請は改正後の基準に適合する必要があります。
経営管理ビザのご相談は無料です
「自分の場合はどうなるのか」を、申請取次行政書士が直接お答えします。日本語・英語・ベトナム語・中国語・ポルトガル語・インドネシア語でご相談いただけます。
無料で相談する
※この記事は一般的なご説明です。制度は変わることがあり、実際の可否は個々の事情によって異なります。最新の情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認いただくか、当サイトの行政書士にご相談ください。