審査中に常勤職員が退職した事実は、原則として速やかに地方出入国在留管理局へ報告(修正・補足資料の提出)しなければなりません。報告をせず職権調査や追加資料の提出要請によって発覚した場合、虚偽の申請とみなされ、不許可になるリスクが極めて高くなります。報告は、次の手を示す資料とセットで行うのが実務上の鉄則です。
更新申請の直前に採用した唯一の常勤職員が、審査中に退職してしまったというご相談です。
審査は許可が出るその瞬間の事実を基準に行われ、退職の事実は届出データから高確率で把握されるためです。
在留審査は、許可が出されるその瞬間の事実を基準に行われます。
5月18日の申請時点では「常勤職員1名在籍」という事実があり、それに基づいて書類を出したため、その時点での申請書自体に不備はありません。しかし審査の途中でその前提条件が失われた以上、現在の状況と提出済みの書類にズレが生じています。
法的な義務としても、会社は「中長期在留者の受入れに関する届出(契約終了)」を退職から14日以内に提出する必要があります。審査官はこのシステム上のデータをいつでも閲覧できるため、会社が報告を控えていても、退職の事実は高い確率で把握されます。
自己申告をせずに放置し、「現在の社会保険の加入状況(名簿)を出してください」と追加資料の要請が来てから「実は辞めました」と説明するのは、審査官の心証を著しく悪化させます。そのため、自主的な報告と次の対策の提示をセットで行うのが実務上の鉄則です。
一発で不許可になるわけではありませんが、事業計画書の信頼性が下がる点が最大の痛手です。
改正法の運用において、既存の経営者に対しては、いきなり改正後の基準を完璧に満たしていなければ即不許可とするのではなく、今後の事業計画の合理性や実現可能性を重視して猶予を持たせる措置(1年の在留期間での経過観察など)が取られています。
一番の痛手は、提出した「これから人を雇って規模を拡大していく」という事業計画の足元が、審査中に崩れてしまった点です。「この会社の雇用・管理体制は本当に大丈夫か」「計画の実現性に疑問がある」と、慎重に審査される要因になります。
施行日から3年を経過する日までの更新申請には、経過措置が設けられています。
既に「経営・管理」で在留中の方が施行日から3年を経過する日(令和10年10月16日)までの間に在留期間更新許可申請を行う場合については、改正後の許可基準に適合しない場合であっても、経営状況や改正後の許可基準に適合する見込み等を踏まえ、許否判断が行われます。
なお、審査においては、経営に関する専門家の評価を受けた文書の提出を求められることがあります。
施行日から3年を経過した後になされた在留期間更新許可申請については、改正後の許可基準に適合する必要があります。
報告書面と同時に、次の常勤職員の採用・増資・事務所移転のいずれかを進行している証拠を提示することです。
ただ「辞めました」と報告するだけでは、マイナスの印象しか与えかねません。報告の書面(上申書)を出すと同時に、次のいずれかの対策を進行している証拠を提示してください。
ハローワークや求人サイト、紹介業者などを通じて、すぐに次の従業員の募集を開始します。
「前任者は不慮のトラブルで退職したが、事業計画どおり常勤職員を配置するため、現在ただちに次の採用活動を行っており、経営体制に穴をあけない意志がある」ということを、客観的なデータで示します。
手元資金や本国からの送金に余裕があるならば、資本金3,000万円への増資の手続きを開始することも有力な選択肢です。「経営基盤をより強固にするために増資の手続きに入った(または完了した)」という登記簿謄本や議事録を提出します。
なお、改正後の許可基準では、資本金・出資の総額3,000万円以上と、常勤職員1人以上の雇用は、どちらかを選べる関係ではなく、いずれも必要です。増資を行っても、常勤職員の確保が不要になるわけではありませんので、対策Aとあわせて進めてください。
自宅兼事務所のままでは常勤職員を安定して雇うスペースがないと指摘される可能性があります。次の物件(テナント契約)を探している状況をあわせて報告するのも、ビジネスの本気度を示す材料になります。
退職の事実、原因の簡潔な説明、そして今後の計画の3点を、誇張なく淡々と記載します。
従業員とのトラブルや急な退職は、日本人経営者であっても避けて通れない現実の課題です。大切なのは、想定外のトラブルが起きたときに、経営者としていかに迅速に、かつ正直に報告し、次の手を打てるかという点です。
今回の退職によって次回の在留期間が3年ではなく1年にとどまる可能性は高くなりますが、適正に処理を行えば、在留資格そのものが不許可になる事態は防げます。まずは雇用契約終了の事務手続き(離職票の発行、中長期在留者の受入れに関する届出)を正確に行い、並行して次の採用や増資のアクションを始めてください。
職権調査や追加資料の提出要請によって発覚した場合、虚偽の申請を行ったとみなされ、不許可になるリスクが極めて高くなります。会社には契約終了の届出義務もあるため、退職の事実は高い確率で把握されます。
会社は「中長期在留者の受入れに関する届出(契約終了)」を、退職から14日以内に提出する必要があります。
必ず不許可になるわけではありません。既存の経営者については、令和10年10月16日までの間の更新申請には経過措置が設けられており、経営状況や改正後の基準に適合する見込み等を踏まえて許否が判断されます。
上申書に加えて、次の採用活動を示す求人広告の写しや内定通知書、増資を進めている場合は登記簿謄本や議事録、事務所移転を検討している場合は物件の資料などを添えます。
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無料で相談する※この記事は一般的なご説明です。制度は変わることがあり、実際の可否は個々の事情によって異なります。最新の情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認いただくか、当サイトの行政書士にご相談ください。