扶養者が会社都合で退職したら家族滞在はどうなりますか?
一般社団法人 外国人雇用支援機構(FESO)/ 最終更新 2026-08-21
答え
扶養者が会社都合で退職しても、ご家族の「家族滞在」がその瞬間に自動的に取り消されたり無効になったりすることはありません。ただし無職の期間に在留期間更新許可申請の時期が重なると、生計維持について慎重に審査されます。離職票や雇用保険の書類、預貯金の証明を添えて実情を開示することが大切です。
どのようなご相談ですか?
就労系の在留資格で働く扶養者が会社都合で退職したときの、ご家族の家族滞在ビザの扱いについての解説です。
- 相談種別:在留資格(ビザ)
- 申請種別:在留期間更新許可申請
- 状況:「技術・人文知識・国際業務」などの就労系の在留資格で働く扶養者が、会社の倒産・人員整理・解雇といった会社都合により、予期せず無職になった
- ご質問:自分のせいではない会社都合の失業でも、ご家族の家族滞在ビザは取り消されるのか。無職のタイミングでご家族の更新期限が来たらどうすればよいのか
会社都合で退職すると家族滞在はすぐ失効しますか?
失効しません。扶養者が適法に在留資格を維持している限り、家族滞在の効力は存続します。
まず最も重要な結論として、就労系の在留資格を持つ扶養者が会社都合で退職して無職になったからといって、その瞬間にご家族の「家族滞在」が自動的に取り消されたり無効になったりすることはありません。
家族滞在は、扶養者が日本で適法に在留資格を維持している限り、その効力が存続します。突然の解雇や倒産の場合、扶養者本人が次の就職先を探すために日本に滞在すること(就労系の在留資格のままでの求職活動、または状況によっては「特定活動」への変更)が認められるため、それに伴いご家族もそのまま日本に滞在し続けることが可能です。
ただし、扶養者の在留資格が「特定活動」を挟んで「特定技能1号」に変更となった場合は、家族の帯同が認められないため、ご家族が「家族滞在」で日本に在留し続けることはできなくなります。
無職の期間に更新時期が来たらどうなりますか?
在留を続けること自体は可能ですが、更新申請には非常に慎重な対応が必要です。
在留を続けること自体は可能ですが、「会社都合により無職である期間中」に、配偶者やお子様の家族滞在の更新期限(在留期間更新許可申請)が来てしまった場合は、慎重な対応が必要です。
地方出入国在留管理局が家族滞在の更新を許可するかどうかを判断するにあたり、最も重視するのが「生計維持要件」です。これは、日本で生活保護などを受けることなく、扶養者の経済力によって安定して自立した暮らしが送れるか、という基準です。
会社側に原因がある退職(倒産や解雇)であっても、審査の基準そのものは変わりません。収入がゼロの状態で、何の説明も追加書類もなしに通常どおりの更新申請を行ってしまうと、「現在の世帯に扶養能力を欠いている」とみなされ、不許可となるリスクが高くなります。
更新審査ではどこを見られますか?
再就職への活動実績、無職期間中の生活費の出所、資格外活動の時間の3点が確認されます。
① 再就職への明確な意思と求職活動の実績
突然の失職であっても、次の就職先を見つけるためにハローワーク等を通じて積極的に求職活動を行っている実績があれば、やむを得ない移行期間として柔軟に審査されることが期待できます。ただしそれも、本人が真面目に求職活動をしていることが大前提です。
② 無職期間中の生活費の出所が証明できるか
収入がない期間に、ご家族が日本でどのようにして生活しているのかという客観的な証拠が必要です。会社都合退職の場合、ハローワークで手続きをすれば7日間の待期期間の後に雇用保険(失業給付)が支給されます。この失業給付金や、これまでの蓄え(預貯金)によって、生活に困窮していない根拠が求められます。
③ 家族滞在の配偶者が資格外活動の範囲を超えていないか
生活が苦しいという理由であっても、家族滞在の配偶者がフルタイムで働いて生活費を稼ぐことは認められません。資格外活動許可のルールである原則として1週間に28時間以内を守る必要があります。これを超えて働いた場合は不法就労にあたり、ご家族の在留期間更新や将来の永住許可申請に影響します。
どのような書類を追加で用意しますか?
会社都合の失職であること、生活が安定していること、再就職に向けて動いていることを示す資料一式です。
無職の期間中に更新を迎えた場合は、通常の必要書類に加えて、「会社都合による予期せぬ失職であるが、失業保険等で生活は安定しており、速やかに再就職へ向けて動いている」ということを客観的に示す資料を添えて申請します。
- 会社都合退職の証明
離職票(離職理由コードが会社都合のもの)、解雇通知書、会社の倒産証明などの写し。自分自身の身勝手な退職ではなく、不可抗力による失職であることを説明します。
- 失業保険・求職活動の証明
ハローワークの「雇用保険受給資格者証」の写し、求職活動実績の記録など。早期の再就職を目指して活動していることと、失業給付金が支給されている事実を示します。
- 資産・生活費の証明
扶養者および配偶者名義の預貯金通帳のコピー(直近数か月の残高や生活費の推移が分かるもの)。失業給付と貯蓄によって、無職の期間中も自立して暮らせる経済力があることを示します。
- 内定関連の書類(すでにある場合)
新しい勤務先が発行した「内定通知書」「採用内定書」「労働条件通知書」の写し。すでに次の就職先が決まっている場合は、生計維持に関する懸念を解消する強い材料になります。
- 事情説明書(理由書)
会社都合退職の経緯、現在の求職状況、今後の生計の見通しをまとめた書面。なぜ無職の期間が生じているのか、今後の見通しを論理的に説明します。
退職したとき届出は必要ですか?
扶養者本人は退職から14日以内の届出が必要ですが、家族滞在のご家族側の届出は不要です。
所属機関に関する届出(扶養者側の義務)
就労系の在留資格を持つ扶養者本人は、退職(解雇や倒産を含む)した日から14日以内に、出入国在留管理庁に対して「所属機関に関する届出(契約終了)」をインターネット(電子届出システム)または郵送で提出する義務があります。これを放置すると、会社都合であっても義務違反となり、次回の更新でマイナスの評価につながります。
家族滞在側の届出は不要
扶養されているご家族(配偶者やお子様)自身は、扶養者が退職したことについて、その都度個別の届出を出す必要はありません。ご家族側の扶養能力の有無は、次回の在留期間更新のタイミングでまとめて精査されます。
最も避けたいのは、無職であることを隠して事実と異なる申請をしたり、失業保険や預貯金の証明を出さずに放置したりする不完全な申請です。離職票やハローワークの書類をそろえ、実情をありのまま開示することが結果につながります。
よくあるご質問
扶養者が解雇されたら、家族滞在の在留資格はすぐに取り消されますか。
取り消されません。扶養者が日本で適法に在留資格を維持している限り、家族滞在の効力は存続します。扶養能力の有無は次回の在留期間更新のタイミングで審査されます。
無職の期間に家族滞在の更新時期が来たら、何を示せばよいですか。
会社都合退職であることを示す離職票等、雇用保険受給資格者証などの求職活動の記録、預貯金通帳のコピー、内定通知書がある場合はその写し、そして経緯と今後の見通しをまとめた事情説明書です。
扶養者が退職したとき、地方出入国在留管理局への届出は必要ですか。
就労系の在留資格を持つ扶養者本人は、退職した日から14日以内に、出入国在留管理庁へ「所属機関に関する届出(契約終了)」を提出する義務があります。家族滞在のご家族側の届出は不要です。
生活が苦しいので、家族滞在の配偶者がフルタイムで働いてもよいですか。
認められません。資格外活動許可を受けている場合でも、原則として1週間に28時間以内という範囲を守る必要があります。これを超えると不法就労にあたります。
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※この記事は一般的なご説明です。制度は変わることがあり、実際の可否は個々の事情によって異なります。最新の情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認いただくか、当サイトの行政書士にご相談ください。