国民年金が全額免除でも永住許可は取得できますか?
一般社団法人 外国人雇用支援機構(FESO)/ 最終更新 2026-08-21
答え
正規の手続きを経て国民年金保険料の全額免除を受けている場合は、単純な「未納」や「滞納」とは区別されます。ただし免除期間があること自体が有利に働くわけではありません。生計を維持できることは、海外の年金の受給証明など別の資料で示す必要があります。
どのようなご相談ですか?
母国から障害年金を受給し、国民年金保険料が全額免除となっている方からのご相談です。
- 相談種別:在留資格(永住許可申請)
- 申請種別:永住許可申請(新規申請)
- 状況:米国籍・男性・40代。日本人女性と結婚し「日本人の配偶者等」の在留資格で滞在。お子様が2人いる。もとはアメリカ海軍に勤めていたが、怪我をして退役したため、現在は米国から障害年金(Disability Benefit)を受給している。そのため日本での給与収入はなく、国民年金保険料は過去も現在も全額免除を受けている。
- ご質問:永住許可の要件として、国民年金保険料を支払っていないと永住は取れないと理解しています。障害があり日本で働けず、米国から障害年金を受け取っているといった理由がある場合、国民年金保険料の免除が認められる特別な例外はあるのでしょうか。
公的義務の履行はどこまで見られますか?
納税と公的年金・医療保険料の納付は、現在もっとも厳しく審査される点とされています。
永住許可の要件である素行善良要件や生計維持要件において、公的義務の履行(納税、公的年金・医療保険料の納付)は、現在もっとも厳しく審査されるポイントとされています。
原則として、国民年金保険料や国民健康保険料に未納や滞納がある場合は、永住許可は非常に困難になります。
「全額免除」は未納・滞納と同じ扱いになりますか?
同じではありません。正規の手続きを経た免除は、未納・滞納とは区別されます。
国民年金保険料の免除制度は、経済的に困難な状況にある方に対し、保険料の納付を猶予する制度です。免除申請が適正に承認されている期間については、納付義務が「免除されている」状態であり、「納付を怠った(未納・滞納)」状態ではないと見なされます。
重要なのは、免除を受けていたとしても、国民年金制度に加入し、免除申請という公的な手続きを適切に行ってきた事実です。
一方で、免除期間があること自体が審査で有利に働くというものではありません。免除を受けていることは生計を維持できることの証明にはなりませんので、生計維持能力は別の資料で示す必要があります。
海外の年金収入は生計維持能力として認められますか?
認められる余地があります。国外からの安定した年金収入も判断の対象になるためです。
永住許可の審査では、日本での給与収入がない場合でも、国外からの安定した年金収入や障害年金、または資産がある場合には、「独立の生計を営む能力がある」と認められます。
ご相談者様が受給されている米国の障害年金は、今後も継続的に安定して得られる収入源として、強力な証明材料になります。
また、怪我により働けず、収入がないために免除を受けているという合理的かつ客観的な理由が明確に存在します。これは、納税や年金加入を意図的に避けた「素行不良」とは判断されにくいと考えられます。
申請にあたって何を用意すればよいですか?
免除期間の証明、年金受給の証明、理由書、納税証明書の4点です。
- 国民年金保険料の納付状況の証明
免除を受けていた期間が明確に分かるように、年金事務所で納付・免除期間が記載された証明書を取得し、提出します。これにより、免除申請という手続きを適切に行ってきたことを証明します。
- 障害年金受給の証明
米国の障害年金(Disability Benefit)の受給証明書(金額、継続期間が分かるもの)を提出し、日本語訳を添付します。これが日本での安定した生活を支える収入源であることを示します。
- 理由書での詳細な説明
「なぜ日本で働いていないのか」「なぜ国民年金保険料の免除を受けているのか」という経緯を、正直かつ丁寧に記述します。怪我の状況、米国からの年金受給に至った経緯、そしてその年金でご夫婦とお子様2人の生活が安定して維持できることを、具体的な金額をもって説明します。
- 納税証明書
日本の税金(住民税、所得税など)については、免除ではなく適切に申告・納付していることが必要です。非課税の場合でも、住民税の課税証明書・納税証明書を提出し、税務上の義務をすべて履行していることを証明します。
重要なのは、経済的な安定性(年金)、公的義務の履行(免除申請)、家族の扶養能力の3点を、客観的な書類で漏れなく証明することです。
よくあるご質問
国民年金保険料の全額免除は永住審査で未納扱いになりますか。
なりません。免除申請が適正に承認されている期間は、納付義務が免除されている状態であり、納付を怠った未納・滞納の状態とは区別されます。ただし免除期間があること自体が有利に働くわけではありませんので、生計維持能力は別の資料で示す必要があります。
日本で給与収入がなくても永住許可は申請できますか。
できます。国外からの安定した年金収入や障害年金、または資産がある場合には、「独立の生計を営む能力がある」と認められます。
海外の年金を証明するにはどうすればよいですか。
受給証明書(金額と継続期間が分かるもの)を取得し、日本語訳を添付して提出します。あわせて理由書で、その年金で家族の生活が安定して維持できることを具体的な金額とともに説明します。
収入がなく非課税でも納税証明書は必要ですか。
必要です。非課税の場合でも住民税の課税証明書・納税証明書を提出し、税務上の義務をすべて履行していることを証明します。税金については免除ではなく適切な申告・納付が求められます。
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※この記事は一般的なご説明です。制度は変わることがあり、実際の可否は個々の事情によって異なります。最新の情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認いただくか、当サイトの行政書士にご相談ください。