高度専門職から永住申請中に転職しても大丈夫ですか?
一般社団法人 外国人雇用支援機構(FESO)/ 最終更新 2026-08-21
答え
永住申請中の転職・退職は、審査に影響を与える可能性があります。高度専門職1号(ロ)で転職する場合は在留資格変更許可申請が必要で、これが許可されなければ永住申請自体ができません。最も安全なのは、永住許可が出てからキャリアプランを実行することです。
どのようなご相談ですか?
高度専門職1号(ロ)をお持ちの方から、永住申請中の転職・独立についてのご相談です。
- 相談種別:永住者
- 申請種別:普通永住(高度専門職からの申請)
- 状況:インド国籍・男性・35歳。日本のIT企業に勤務し、高度専門職1号(ロ)を保有。日本での滞在は3年、ポイントは80点以上。
- ご予定:永住申請中に別の会社への転職を検討中。将来的に独立して個人事業主になることも視野に入れている。
- ご質問:永住申請中に転職や退職の予定がある場合、審査にどのような影響がありますか。特に注意すべき点はありますか。
永住申請中に転職すると、審査にどう影響しますか?
活動の安定性・継続性が改めて確認され、審査が長期化することがあります。
永住許可では、日本での安定した生活基盤と、将来にわたる継続的な生活の安定性が重視されます。高度専門職からの永住申請では、申請時のポイント基準に加えて、その後の安定した活動も評価の対象となります。
- 転職先の業務内容や収入が、永住申請時に提示した内容と大きく異なる場合、安定性・継続性について疑問を持たれる可能性があります
- 転職先が永住申請の要件を満たさない企業カテゴリー(例:カテゴリー3や4)である場合、審査が厳しくなることがあります
- 転職先の会社の情報(登記簿謄本、決算書など)や新しい雇用契約書の提出を求められ、審査が長期化する可能性があります
転職先の業務内容が現在の在留資格の活動範囲内であり、かつ収入が維持または向上する場合、審査への悪影響は比較的小さいと考えられます。
高度専門職1号(ロ)で転職する場合、何が必要ですか?
転職先での活動内容と見込み年収を証明し、在留資格変更許可申請を行う必要があります。
高度専門職1号は、所属機関(現在の勤務先)との関係において許可されているものです。転職した場合は、新たな雇用主企業において活動する内容と入社後の見込み年収を証明してもらい、高度専門職1号(ロ)から高度専門職1号(ロ)への在留資格変更許可申請を行って許可をいただかなければなりません。
高度専門職の方は、原則10年の在留要件に関する特例を使って永住を申請することになります。この特例では、ポイントが80点以上の場合は引き続き1年以上、70点以上の場合は引き続き3年以上日本に在留していることが必要です。ご相談者様はポイントが80点以上とのことですので、必要な在留期間は1年以上ということになります。したがって、この在留資格変更許可申請が許可されなければ、永住申請自体ができないことになります。
転職先が決まり、実際に勤務を開始したら、14日以内に地方出入国在留管理局へ所属機関に関する届出を提出する義務があります。これは在留資格を問わず、転職した際に必ず行わなければならない手続きです。
退職して個人事業主になる場合はどうなりますか?
在留資格の変更が必要になり、永住審査はより複雑になります。
個人事業主として活動する場合、現在の「高度専門職1号(ロ)」では活動できないケースがあります。原則として「経営・管理」または「高度専門職1号(ハ)」への変更が必要となります。
- 「経営・管理」は、事業計画の実現可能性や安定性が厳しく審査されます。永住申請中に在留資格が変更となること自体が審査を複雑にし、長期化させる可能性がありますので、おすすめではありません
- 個人事業主の場合、会社員に比べて収入の安定性を証明することが難しくなることがあります。事業計画書や銀行口座の残高、納税状況などをより厳しく見られます
独立を検討している場合は、永住申請を行う前に事業計画を具体的に練り、独立後の在留資格の要件を十分に満たせるかを確認することが重要です。
申請中に特に注意すべき点は何ですか?
ポイントの維持、高度な活動の継続、届出義務の徹底の3点です。
- 申請時のポイントの維持
永住申請では高度専門職のポイントを証明しますが、許可されるまでそのポイントが維持されているかどうかが確認されます。転職により収入が大幅に減少したり、業務内容が高度専門職の範囲から外れたりすると、ポイントが下がり、永住許可に影響が出る可能性があります。
- 高度外国人材としての活動の継続性
申請後も引き続き日本社会に貢献する高度な活動を継続していることが求められます。転職や独立がこの継続性を損なうものでないことを、明確に説明する必要があります。
- 届出義務の徹底
転職、退職、個人事業主としての活動開始など、在留資格に関する変更があった場合は速やかに届け出ることが義務付けられています。怠ると永住申請に悪影響が出るだけでなく、罰則の対象となる可能性もあります。
どのような進め方が安全ですか?
永住許可が出るまで現在の勤務を続けるのが、最もリスクの低い選択です。
- 永住許可が出るまで、現在の企業での活動を継続する
最もリスクが低い選択肢です。許可されてから転職や独立を検討することで、審査への影響を気にせず手続きを進められます。なお高度専門職2号は、転職した場合でも1号(ロ)のような在留資格変更許可申請が不要ですので、2号への変更を経て永住申請をする方法も、申請計画としては実践的で効率的です。
- 永住申請を行う前に、転職を完了させる
新しい会社から活動する内容と入社後の見込み年収を証明してもらったうえで申請すれば、申請時点で既に新しい職場での安定性を示すことができます。転職に際して在留資格の変更手続きが必要な場合は、先に行う必要があります。
- 独立する場合は、先に在留資格を変更して事業実績を積む
「高度専門職1号(ハ)」へ変更し、個人事業主としての事業実績を積んでから永住申請を行う方法です。業務委託契約先との契約内容や実態を証明する書類が必要になり、時間と労力がかかる選択肢です。
よくあるご質問
永住申請中に転職したら、届出は必要ですか。
必要です。転職先で実際に勤務を開始したら、14日以内に地方出入国在留管理局へ所属機関に関する届出を提出する義務があります。在留資格を問わず、転職した際に必ず行う手続きです。
高度専門職1号(ロ)で転職する場合、在留資格変更許可申請は必要ですか。
必要です。高度専門職1号は所属機関との関係において許可されているため、転職先での活動内容と入社後の見込み年収を証明したうえで、在留資格変更許可申請を行って許可を受ける必要があります。
高度専門職2号でも、転職のたびに在留資格変更許可申請が必要ですか。
不要です。2号は所属機関によって在留資格の変更が必要にならないため、転職した場合でも1号(ロ)のような在留資格変更許可申請は必要ありません。
独立して個人事業主になる場合、どの在留資格が必要ですか。
原則として「経営・管理」または「高度専門職1号(ハ)」への変更が必要です。「経営・管理」は事業計画の実現可能性や安定性が厳しく審査されます。
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※この記事は一般的なご説明です。制度は変わることがあり、実際の可否は個々の事情によって異なります。最新の情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認いただくか、当サイトの行政書士にご相談ください。