病気の子どもを日本に呼び寄せることはできますか?
一般社団法人 外国人雇用支援機構(FESO)/ 最終更新 2026-08-21
答え
就労系の在留資格で働く方がお子様を呼び寄せる場合、お子様の在留資格は原則として「家族滞在」となります。ただし持病があり特別なケアが必要な場合は審査が難しくなる傾向があり、人道上の配慮を「特別な理由」として「定住者」の取得を検討する余地があります。いずれも厳格な審査が行われます。
どのようなご相談ですか?
就労系の在留資格で働くお母様が、母国にいる持病のあるお子様を呼び寄せたいというご相談です。
- 相談種別:在留資格(ビザ)
- 申請種別:「定住者」としての呼び寄せ
- 状況:ベトナム国籍・女性(35歳)。5年前に来日し、現在「技術・人文知識・国際業務」でIT企業に勤務。ご主人はベトナムで生活。ベトナムには10歳の娘さんがおり、生まれつき心臓に疾患があって定期的な治療と特別なケアが必要。現地での治療には限界があり、経済的な負担も大きい
- ご質問:一般的な「家族滞在」の要件に合致するのか。「定住者」を取得できる可能性はあるか。申請にあたり何に注意すべきか
「家族滞在」での呼び寄せは難しいのですか?
原則は「家族滞在」ですが、生計維持能力と扶養関係の両面から審査が難しくなる傾向があります。
原則として、就労系の在留資格をお持ちの方がお子様を呼び寄せる場合、お子様の在留資格は「家族滞在」となります。ただし持病があり特別なケアが必要なお子様の場合、以下の理由から審査が難しくなる傾向があります。
生計維持能力の懸念
親の収入だけで、高額な医療費や特別なケアにかかる費用を含めた世帯全員の生活を、安定して維持できるかが厳しく審査されます。
扶養関係の証明
お子様に持病がある場合、親が専ら扶養する立場にあることは証明しやすくなりますが、同時に、将来的に自立が難しいと判断される可能性が懸念されることがあります。
「定住者」を取得できる可能性はありますか?
人道上の配慮が「特別な理由」として認められる余地があります。
「家族滞在」での申請が難しい場合、「定住者」の取得を検討する余地があります。
「定住者」は、法務大臣が特別な理由を考慮して日本での居住を認める在留資格です。持病のあるお子様を日本に呼び寄せるケースでは、人道上の配慮が「特別な理由」として認められる可能性があります。特に重視されるのは次の4点です。
- 日本での治療の必要性と相当性
お子様が現地で十分な治療を受けられないこと、または日本の高度な医療が必要であることを、現地と日本の両方の医師の診断書で具体的に証明することが不可欠です。日本での治療がお子様の健康状態の改善や生命の維持に不可欠であることを示します。
- 人道上の配慮の必要性
お子様に持病があるために親の直接的な介護と精神的サポートが不可欠であること、病状が深刻であり一人で現地に残しておくことが困難であること、日本で家族と一緒に暮らすことがお子様の健康状態や精神状態の安定に不可欠であることを、医師の意見書などで証明します。
- 申請者の生計維持能力
お母様の収入だけで、お子様の医療費や生活費、特別なケアにかかる費用を含めた世帯全体の生活を十分に支えられるだけの経済力を、預貯金残高証明書、納税証明書、課税証明書などで具体的に証明します。ご主人が母国にいらっしゃるため、お母様の単独での扶養能力がより厳しく審査されます。
- ご主人の状況と同意
ご主人が母国に残る理由(仕事、家族の介護など)を明確に説明し、ご主人もお子様の日本での生活と治療に同意していることを証明する書類(同意書など)を提出します。
どのような書類を準備しますか?
詳細な理由書、両国の医師の診断書、扶養能力と親族関係の証明、住居の確保を示す書類です。
- 詳細な理由書
なぜお子様を日本に呼び寄せることが必要不可欠なのか、その背景事情を詳しく記述します。病状の深刻さ、現地での治療の限界、日本での治療が不可欠であること、母として介護と精神的サポートを日本で提供したいという思い、そして生活費・医療費・介護費用のすべてを負担する能力があることを明確にします。
- 医師の診断書・意見書
現地の医師の診断書には、病名、病状の深刻度、現地での治療の限界などを具体的に記載してもらいます。日本の医師の診断書には、日本での治療が可能であること、その必要性、治療計画、医療費の見込みなどを具体的に記載してもらいます。
- 経済的扶養能力の証明
直近数年分の納税証明書(所得税、住民税)および課税証明書、預貯金残高証明書、不動産等の資産証明などを提出します。毎月の収支状況を記載した家計収支表も有効です。
- 親族関係を証明する書類
お母様とお子様の親子関係を証明する書類(出生証明書など)と日本語訳を提出します。ご主人が母国に残る場合は、その理由とお子様の日本での生活に同意していることを示す書類も提出します。
- 住居の確保
お子様とお母様が一緒に生活できる十分な広さの住居を確保していることを、賃貸契約書や間取り図、写真などで示します。
申請にあたって特に注意すべきことは何ですか?
呼び寄せ後の医療費負担や長期的な養育体制まで含めて審査されることを想定し、準備を尽くす必要があります。
この種の申請では、日本の医療現場の状況や医療保険料の負担、さらには親に万一のことがあったあとのお子様の看護をどうするのかといった点まで含めて、慎重に審査されることが想定されます。したがって非常に難しい申請となるため、上記の資料を最大限に準備し、慎重に対応する必要があります。
最も重要なのは、現地での治療の限界と、日本での治療の必要性を、客観的な診断書で明確に示すこと、そしてお母様の単独での扶養能力を、具体的な収入証明と資産証明で説得力を持って示すことです。
この種の申請は、通常の申請とは異なり、個別の状況を非常に詳細に説明し、豊富な補強資料をそろえる必要があります。ご自身での申請も不可能ではありませんが、出入国在留管理の手続きに精通した専門家にご相談いただくことをおすすめします。どうぞご無理なさらず、まずはご家族の健康を第一にしてください。
よくあるご質問
持病のある子どもを呼び寄せる場合、在留資格は何になりますか。
就労系の在留資格をお持ちの方がお子様を呼び寄せる場合、原則として「家族滞在」となります。ただし審査が難しくなる傾向があり、人道上の配慮を「特別な理由」として「定住者」の取得を検討する余地もあります。
「定住者」の審査で最も重視されるのは何ですか。
母国で十分な治療を受けられないこと、または日本の高度な医療が必要であることを、両国の医師の診断書で客観的に示すことです。あわせて人道上の配慮の必要性、申請者の生計維持能力、配偶者の同意も重視されます。
配偶者が母国に残る場合、何か書類が必要ですか。
ご主人が母国に残る理由(仕事、家族の介護など)を説明する書類と、お子様の日本での生活と治療に同意していることを示す同意書などを提出します。
扶養能力はどのような書類で証明しますか。
直近数年分の納税証明書と課税証明書、預貯金残高証明書、不動産等の資産証明などです。毎月の収支状況を記載した家計収支表も有効です。
家族滞在のご相談は無料です
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※この記事は一般的なご説明です。制度は変わることがあり、実際の可否は個々の事情によって異なります。最新の情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認いただくか、当サイトの行政書士にご相談ください。